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湯灌(故人様の体をきれいにする儀式)は、お葬式前に「一度だけ」で十分です

湯灌(故人様の体をきれいにする儀式)は、お葬式前に「一度だけ」で十分です

湯灌(ゆかん)は「故人様の体をきれいにする(お風呂に入れる)儀式」です。全身をシャワーで洗い清め、お顔剃りやお着替えをして、最後はナチュラルメイクを施し眠っているような穏やかな表情に整えます。

湯灌はお葬式(火葬)の前日に行うことが多いですが、湯灌は「一度だけ」で十分です。

あえて「一度だけ」を強調したのには理由があります。それは、先日ある喪主様との会話でとても驚く事をお聞きしたからです。

喪主:友人がある葬儀屋さん(以下A社)にお葬式を依頼したら、お葬式の日まで【毎日湯灌】を勧められたみたいなんですよね。

私:毎日?湯灌をですか?

喪主:はい。担当者からは『ご家族皆さんはお風呂に毎日入りますよね?故人様も毎日お風呂に入れてあげないと可哀想ですよ』って言われたそうです。

ご家族の皆さんは日々一生懸命にお仕事・家事・子育て等をされて汗や汚れが体に付きますが、故人様はそうではありません。

また、湯灌・エンバーミングの専門家に質問したところ、

「故人様を毎日湯灌?あり得ません。お亡くなりになると体・皮膚が日々弱くなっていきます。故人様の肌に毎日お湯をかけるのは絶対にダメです!」

との回答でしたし驚かれていました。

A社が本当に毎日湯灌を行うつもりだった(もしくは湯灌は最初の一度のみで、それ以降は体を拭く程度の内容で湯灌として追加費用を請求?)かは不明ですが、いずれにしても湯灌はお葬式前に「一度だけ」で十分です。

また、湯灌は高額な商品(平均7~10万円程/当社調べ)ですので、仮にA社がお葬式(火葬)を行うまで毎日湯灌を行った場合、追加費用はとても高額なはずです。そもそも湯灌は一度だけで十分ですので、もし同じ様な事を葬儀社から勧められたら断るべきですし、それが事前相談の時点であれば他の葬儀社さんに変えることがおすすめです。

今回は「湯灌とエンゼルケア(病院・施設での処置)」について簡単にご説明したいと思います。エンゼルケアは病院・施設でお亡くなりになった場合に、看護師さん等が施す処置(清拭やメイク等 ※有料)です。エンゼルケアで十分きれいなお姿になる場合もありますので、その結果を見てから湯灌のご依頼を判断されるのも良いと思います。

湯灌(ゆかん)の内容・費用・流れについて

湯灌を行う場所は「葬儀社の安置室またはご自宅」になります。小さい浴槽(たたみ一畳程)を使い、故人様の全身をシャワーでやさしく洗います。その後に愛用の洋服・着物にお着替えし、最後はナチュラルメイクを施し、眠っているような穏やかな表情に整えます。

費用は「7万円(税別)」と高額になりますが、きっとご満足いただけると思います。最近では湯灌をご存じの方も増え、「湯灌は必ず」と事前に決めている方も多いです。お葬式日程によっては、お亡くなりになった後1~2日間程ご遺族様でご相談いただくお時間はあると思いますのでゆっくりとご検討ください。

湯灌(ゆかん)の内容
  • シャワー(シャンプー・リンス・ボディーソープ)で全身を洗います
    ※タオルで故人様のお体を覆い、お肌が出来る限り見えないように執り行います。
  • 整髪、お顔剃り、爪切り、愛用の洋服・着物へお着替え
  • ナチュラルメイク、ご納棺

費用:7万円(税別)

【ご自宅で行う場合】
6畳以上の広さ(和室・洋室どちらでも可)があれば基本的に大丈夫です。
湯灌で使用するお湯は専用車のタンクから給湯してご準備します。もし給湯ができない場合は、ご自宅のお風呂等からお湯を使わせていただく場合もございますので予めご了承ください。

お時間は「1時間~1時間30分程」で、立会いは自由です。最初~最後まで立会いしていただいても結構ですし、最後のメイクのみ立会われるご遺族様もいらっしゃいます。

また、湯灌は「お葬式(火葬)の前日」に行う場合が多いですが、もしご希望日がある場合は調整いたしますのでスタッフにお申し付けください。

故人様が「女性」の場合、女性スタッフが担当します

故人様が女性の場合、女性スタッフが湯灌・お着替え・メイクまで担当いたします。
メイク(色味や濃さ、故人様が愛用していた化粧品の使用)やその他に関してご希望がある場合は、ご遠慮なくお申し付けください。

エンゼルケア(病院・施設でお亡くなりになった場合の処置)について

エンゼルケアは病院・施設でお亡くなりになった場合に、看護師さん等が施す処置(清拭やメイク等 ※有料)です。簡単にご説明すると「湯灌のシンプル版」になりますが、決して劣っている意味ではありませんので何卒ご容赦ください。

ただし、エンゼルケアは病院・施設によって処置の内容・水準が異なりますので、処置にご納得いただけるか?は結果を見た上でご遺族様の判断次第です。十分きれいと思われる方も多いですし、結果を見てから湯灌をご依頼いただく方、最初からエンゼルケアをお断りして湯灌をご依頼いただく方もいらっしゃいます。

検視(検死)になった場合

病院以外でお亡くなりになった場合、検視(検死)扱いになり、ご遺体が地元の警察署に運ばれる事があります。
その場合「ご遺体は納体袋に裸で納められて保冷庫に保管されるため、ご遺体はかなり硬直した状態での引取り」になりますので、もし可能であれば湯灌を行うことがおすすめです。

エンバーミング(ご遺体の腐敗・防腐・傷の処置)は基本的に不要です

エンバーミングはご遺体(お顔・体)に傷がある場合、または長期間安置する必要がある場合などに専用施設で施す「特殊処置(体を切開して血液や排せつ物を取り出す等)」ですが、ご遺体に傷が無ければエンバーミングは不要です。参考として、もし処置を行う場合はご遺体の状態にもよりますが「約20万円前後」になります。

一般的なご遺体(死因が病気や老衰など)であり、お葬式を1週間以内に行う場合は、湯灌で十分きれいなお姿でお見送りしていただけます。

まとめ

冒頭でお伝えしたように、湯灌はお葬式前に「一度だけ」で大丈夫です。むしろ「一度だけ」が限界で、それ以上はご遺体を傷つけることになります。

当社では湯灌はオプション商品(ご希望の方のみ)です。費用は7万円(税別)と高額ですが、ご遺族様の満足度は非常に高いと感じています。湯灌を希望される方の理由は、「故人の生前の希望」・「お風呂が好きだったから」・「お葬式はシンプルで良いけれど、一番綺麗なお姿で見送りたい」など様々です。

また、病院・施設でお亡くなりになった場合は「エンゼルケア(清拭・メイクなど)」を依頼可能な場合があります。内容としては「湯灌のシンプル版」になりますが、決して劣っている意味ではなく、エンゼルケアで十分きれいなお姿に処置していただける場合も多いです。

ただし、病院・施設によって処置の水準が異なりますので、もし「湯灌を決めている」場合はエンゼルケアをお断りしても良いと思いますし、もしくは「結果を見てから湯灌の依頼を考える」でも大丈夫です。

湯灌について迷われている場合は、事前相談やお葬式の打合せ時にスタッフにお気軽にご相談ください。