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おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド【本】

おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド【本】

先日、書店内を何気なく歩いていると気になる本を見つけました。【おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド】です。表紙のイラストが可愛いかったのでふと手に取って、少し立ち読みをして、そのまま購入しました。

最近よくある終活関連の本ですが、この本は少し特徴があります。

一般的な終活本は【おひとりさま=ご自身1人】というケースが多いですが、この本は【親1人・子1人】のケースを想定しています。

きっと現時点で【親1人・子1人】に該当する人も多いと思いますし、将来的に親1人子1人になるケースも多いはずです。

一般的に女性は男性より長生きしますし、今後10年で未婚の女性が増えるというデータもあるようです。つまり、【親1人・子1人(共に女性)】の組み合わせが将来的に増えると予測しての出版かもしれません。もちろん、親・子が男性の場合も役に立つ本です。

そして、もう1つの特徴は【人生の後半をどう生きるか?】についても書かれています。色々な人の人生に対する考え方も載っているので、もしかすると読んで気持ちが楽になる人も多いかもしれません。

介護・お墓、医療・離婚、葬儀・相続など幅広い内容になっていますが、情報が整理されていて、とても読みやすいと感じました。

ご興味のある方は、書店でご覧になってはいかがでしょうか。お葬式事前相談をご利用前に読むのもおすすめです。

主な内容のご紹介(4つのカテゴリー)

この本の内容は、大きく分けて「Part1~4」の4つのカテゴリーに分かれています。

  1. おひとりさまの人生後半の生き方&終活
  2. 親と私の介護・墓・住まい対策
  3. 人生後半の「危機」の乗り越え方
  4. 親が亡くなった後にやるべきこと

終活関連の本は多く出版されていますが、1冊で個々の悩みを100%カバーするのは基本的に無理だと思います。仮にあったとしても、膨大な量になり読む気もなくなります。

大切なのは「重要なポイント」を押さえていること。

その意味では、ターゲット層(30歳代後半以上)に最適な4つだと思います。

この様なカテゴリー分けをしている本は初めて見ましたが、個人的に参考資料として長期間手元に置いておく価値がある本だと思います。

MEMO

ちなみに私は女性雑誌の棚で見つけました。基本的には女性向けだと思いますが、もちろん男性にもおすすめです。

Part1.おひとりさまの人生後半の生き方&終活

Part1はじまりの言葉

現在、独身でも、夫や子供がいても、
女性は人生の最期には「ひとり」になる可能性が高いのが現実。
経済的にも精神的にも自立しながら
楽しく生きていく「ひとり力」を磨いたり、
病気や万が一のときのためにエンディングノートを書いたり――。
人生後半への備え、今から始めてみませんか?

おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド

個人的にはPart1がとても参考になりました。

アンケート結果、実際の生活例など、とても興味深い内容でした。4人の女性が、職業・年収・金融資産を公開し、生活や趣味などについて話されています。こういうリアルな実例って良いですよね。

この本によると、国立社会保障・人口問題研究所によると10年後の2030年には女性の4人に1人は生涯シングルになる見込みだそうです。そして、現在の新型コロナ禍と関連させ、自立し楽しく生きる「ひとり力」について色々と書かれています。

若宮正子さんのインタビュー記事は面白いです。人生の先輩の言葉は、シンプルでも不思議と説得力があります。

若宮正子さん

1935年生まれ。都市銀行を定年退職後にパソコンを独学。

2017年81歳でiphoneアプリを開発。米アップルの世界開発者会議「WWDC2017」に特別招待される。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018」受賞。

Part2.親と私の介護・墓・住まい対策

Part2はじまりの言葉

人生の後半に多くの人が直面するのが、親の介護。
そして、おひとりさまの場合、
自分が老後に住む家はどうするのか、
介護が必要になった場合はどこに頼むのか、
亡くなった後、どこのお墓にはいるのか――悩みはつきません。。
いざというときに困らないための選択肢を紹介します。

おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド

ここでは親の介護や老後の住まいなどについて書かれています。

困った時の手順、介護費用や制度。そして、他の本ではあまり書かれていない「老後の住まい計画」は参考になります。

気になっている人も多い「お墓」についても、墓じまい・改葬(お墓の引っ越し)・合祀墓・散骨などがまとめられています。今は様々な供養の方法がありますので、お墓(遺骨の納骨先)の情報を整理するのに役立ちます。

阿川佐和子さんのインタビュー記事では、実際にご自身が経験した「寝たきりになった父の看取り、認知症の母の介護」について。前向きで明るく書かれていますが、大変だったと思います。同じような悩みを抱えている人にとって、とても勇気づけられる内容だと思います。

Part3.人生後半の「危機」の乗り越え方

Part3はじまりの言葉

仕事やプライベートのストレスで「うつ」を発症したり、
夫との関係がうまくいかず離婚を考えたり、
自身や家族が「がん」に罹患したり…。
人生の後半に遭遇しがちな危機には、
さまざまな制度や手続きを知っておくことで、
前向きに対処できるはずです。

おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド

ここでは、うつ病・がんになった時の治療や主治医の見つけ方、支援制度について書かれています。

医療費控除など複雑な情報もあるので、ちょっと読み進めるにはハードルはありますが、丁寧にまとめられていると思います。いざとなれば、病院や役所へのご相談がおすすめですが、色々な制度があることを把握できます。

加えて、離婚に関する情報もあります。子供の手が離れて定年後の人生が視野に入ってくる50代~60代に増えている熟年離婚。もちろん年齢に関係なく一般的な離婚問題(協議・裁判など)についても書かれています。

「離婚成立までの3つのステップ」はとてもわかりやすく、弁護士費用も参考になります。

Part4.親が亡くなった後にやるべきこと

Part4はじまりの言葉

親が亡くなると、葬儀を執り行うことをはじめ、
各種書類の届け出や名義変更など、
さまざまな手続きが必要になります。
さらに、親の遺産を誰がどのように相続するのか、
関係者の合意のもとに決定し無事に手続きを終えるのは一苦労。
事前の準備をしておくことが、いざというときに困らなりカギです

おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド

ここでは、親の葬儀や法要、相続手続き等についてです。

葬儀に関しては「臨終⇒葬儀⇒四十九日法要」までの大まかな流れ。最もシンプルなお葬式として、直葬(火葬のみ)の紹介はありましたが、1日葬(告別式のみ)はありませんでした。でも、お葬式の基本的な流れをイメージするには十分だと思います。

そして、相続については「遺言書・相続人・相続放棄・相続終了までのステップ」がまとめられています。疑問・不安に思う人が多い項目についてもQ&Aで掲載されています。このQ&Aのチョイスが素晴らしいと思いました。

最後には相続税や遺産分割協議のやり方も紹介されていますが、これは参考程度だと思います。実際に素人では対処できないので、必要となれば専門家に依頼するべきです。

大切な相続財産に関わる問題ですので、そこはお金を払ってでもプロに任せましょう。

ちょっと大げさな表現になりますが、相続(生前・死後)に関する基礎情報は、この本だけで十分と思うくらいです。そのくらい、ちょうどいい情報量とまとめ方だと感じました。もし、その他に疑問が出てきたら無料相談を利用して専門家へ相談しましょう。

この本で基本的な情報を知る⇒もし実務が必要なら専門家へ相談

私たちの専門分野である葬儀の部分に関しては、説明不足と感じる部分もありますが、限られたページ内で基本的な情報がうまくまとめられています。

ただし、実際にはもっと細かな打ち合わせが必要です。費用面のことも含めて事前に葬儀社に相談しておくことがおすすめです。

他の分野に関しても基本的な情報は得られますが、やはり実際には各分野の専門家へのご相談が必要だとは思います。でも、それはその時に考える程度に読み進めても大丈夫です。

まずは基本的な情報を知ることが大切です。

漠然と不安に思っていることも、ある程度具体的にイメージできると思います。良い意味で情報が多すぎないのが、この本の優れた点です。

終活の最初の1冊・手元にあると役に立つ本としておすすめです

30代後半以上の女性がターゲット層だと思いますが、どなたにでもおすすめできる本です。もちろん男性にも。

写真やイラスト、表やフローチャートも豊富でとても良いです。行間、余白の取り方も考えられていて読みやすいです。気になった点は、表などの説明文字がちょっと小さいことくらいです。

重要なポイントを押さえている

この本はいわゆる「終活」というほど重くはないけれど、人生においての重要なポイントを押さえている良い本だと思います。「木」で例えると、幹の部分を把握できる感じです。枝や葉に該当する細かな部分は、実際に困った時に専門家(葬儀社・弁護士・司法書士など)に相談しましょう。

保存用として手元に置いておくと役に立つ本だと思います。ご興味のある方は、ぜひ探してみてください。

おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド
  • 価格:1,000円(税込)
  • 発行:日経BP
  • 販売:日経BPマーケティング
  • 発行日 2020年8月4日
  • ページ数:108ページ

終活は少しずつ、完璧じゃなくてもいい

個々の状況にもよりますが、終活を【完璧】に行おうとすると大変です。場合によっては費用もかなり大きくなります。

終活は「現時点での自分の整理」です。その終活に振り回されては本来の目的からズレてしまいます。ちょっとずつ気になる事を整理しましょう。

お葬式の事前相談でも同じことをお伝えしていますが「まずは70%を把握する」そんな感じが大切だと思います。将来、ご自身のまわりの状況が変化することも十分あり得ます。

「不安な問題を1つ1つ解決していく」が良いと思います。一気に進めるのではなく、空いた時間に少しずつ進めましょう。

MEMO

おひとりさまへの対応策として、遺言書・死後事務委任契約・任意後見人・信託…など、全部を行うと百万円以上+年間手数料などが必要になる場合もあります。
本当に親1人・子1人で、親戚が0人という方も少ないですので、ご親戚に死後の手続きを依頼するのも終活の1つだと思います。

おまけ(死亡届について)

この本を読んでいて思い出したことがあります。それは「死亡届」についてです。

この本では「死亡届は7日以内に提出します。届出は葬儀社が代行してくれます」と書かれていて少しホッとしました。

なぜかというと、以前に別の本で「死亡届は個人情報だらけなので、葬儀社に渡すのは注意しましょう」という感じで書かれていたのを目にした経験があるからです。

「葬儀社に任せずに、ご家族で提出しましょう」ということでしょうか。その本の著者に悪気はないと思いますが、葬儀社が個人情報を外部に漏らす可能性もあるとも受け取れる… 考え過ぎかもしれませんが、少しショックを受けたのを覚えています。

死亡届と火葬場手続きはセット

確かに、死亡届は氏名・住所・電話番号など個人情報だらけです。

ですが、書き方を間違えると役所は受理してくれませんし、提出が遅れると葬儀日程に支障が出る可能性もあります。そのために、私たちは書き方の説明・提出も代行します。

また、死亡届の提出とセットで火葬場手続きも必要です。役所~火葬場の長距離移動が必要な場合もあります。半日近い時間を要する場合もあります。

私たちは、限られた大切な最期のお別れの時間を事務手続きに取られるべきでないと考えています。

葬儀社が個人情報を外部に漏らすことはありませんので、ご安心していただければと思います。

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