先月~この数日にかけてのご依頼は、少し複雑な内容・家族構成などが続きました。
- 数十年間、音信不通だった父親が亡くなったと警察からの連絡。
[長男からのご依頼] - 故人のご家族・親族(兄弟姉妹)以外の方が代わりお葬式を執り行う。
[内縁の妻からのご依頼] - 独り暮らしで生活保護を受けていた母親の葬儀。
[祖母に育てられた長女からのご依頼]
本当にお葬式は色々です。「遺骨は必要ありません。火葬だけお願いします」というご依頼もあります。
時には、当社スタッフが収骨(お骨上げ)を代理で行う場合もあります。
お金があっても、家族がいても…
とても寂しい事ですが、故人様がお金を十分に持っていたとしても、故人様にご家族・親族がいたとしても、【火葬だけ(誰も来ない)】というお葬式があります。
断片的に考えると、この数日間のご依頼も「遺骨は必要ありません」の可能性も十分にありましたが、皆さましっかりと最期のお別れをされました。
特に、ある男性からのご依頼は印象的でした。
長年音信不通だったお父様が亡くなり、警察から連絡がありました。小学校高学年から一度も会っていませんでしたが、「将来、自分がお墓を建てたら一緒に入れてあげたい」と収骨されました。とても心優しい方だなと思いました。
お金があっても、家族がいても、最期に誰も見送ってくれない…
【自分の最期を 泣いて、大切に見送ってくれる人がいる】それが、どれほど幸せな事なんだろう思う(実感させられる)と同時に、少し複雑な気持ちでした。
そんな時、ふと耳にした1つのエッセイ。
アー・ユー・ハッピー?
ソー、エミコ… アー・ユー・ハッピー?
【インドの病院の医師】退職を機に体調不良を整えようと
インドの療養施設に滞在した際、
肩こり、不眠、ストレスによる湿疹など
延々と続く私の訴えをウンウンと聞き取った医師が
最後に尋ねた言葉。「それで、あなたは幸せなの?」
虚を突かれ、思わずたじろぐ。私たちは何かを手に入れて幸せになろうとしている。
モノ。お金。そして健康。
でも手に入らなければ不幸なのか?
例えば病人は不幸なのか?
だとすれば私たちは皆、
不幸にまみれて一生を終えるのか。だって病と死からは誰も逃れられないもの。
でも本当は病人だって、モノやお金がなくたって
幸せになれるはず。
肝心なのは何かを手に入れることじゃない。
ハッピーになること。「ある」幸せがあるなら
「ない」幸せがあったっていいじゃない。
そう考えると意外なほどに心は浮き立つ。
人生は自由だ。
そしてどこまでも開かれている。アーユーハッピー?
著者:稲垣えみ子
稲垣えみ子さん
1965年生まれ。愛知県出身。
一橋大学社会学部卒業後、朝日新聞入社。大阪本社で記者・社会デスクを経験後、論説委員として社説を担当。2016年朝日新聞を退社後、フリーランサー。
東日本大震災の原発事故を機に【人はどれだけ電気を使わずに生活できるのか?】を考え始める。退社する1年前から担当した、「電気をほとんど使わない生活」コラムが話題に。現在も「超節電生活」を実践中。
朝日新聞を辞める時のエッセイ
得ること、拡大することばかり考えて生きてきました。
でも、平均寿命の半分を過ぎた頃から、来るべき死に向かい、
閉じていくこと、手放すことを身につけねばと思うようになりました。大変なギアチェンジです。
2015.09.10 朝日新聞「ザ・コラム」より
とてもユニークで、行動力・決断力・勇気のある方です。
【得ること、拡大すること】
【閉じていくこと、手放すこと】
彼女と同じ様に行動することは、とても難しいと思いますが、綴られる言葉には、共感する部分が多くあります。
生きていくために “必要なもの・不要なもの”
自分が生きていくために “必要なもの・不要なもの” 皆さんは、真剣に考えたことがありますか?
最低限のお金や大切な家族は当然ですが、改めて問われると、すぐに答えが出てきません。考えれば考えるほど、判断が難しい気もします。
断捨離や終活はまさに、【閉じていくこと、手放すこと】ですね。
勇気を出して手放す
自分の生活(ライフスタイル)をシンプルに整えていく。シンプルにすることで、考える時間や目標が明確になり、残りの人生をより充実・価値のあるものとする。勇気を出して手放すことで、気付く事も多くあるかもしれませんね。
この世に生まれてきた以上、「死」は避けて通れません。
ですから、前もって準備しておくことも大切なんだと思います。
誰かに言われるでなく、自らの問題と捉え能動的に情報を集めたり、ご家族や友人などと話し合いながら準備をしておくことが重要です。
人生の最期は安らかに、親族間でトラブルが起こらないようにしたいものですね。
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