最近よく聴いているお気に入りの曲「ちょうどいい幸せ」。
ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」のエンディング曲です。大好きな俳優、滝藤賢一さんが出演されるので観始めましたが、良い曲に出会いました。
出演:古舘寛治 滝藤賢一 芳根京子 宮藤官九郎
脚本:野木亜紀子
監督:山下敦弘
放送局:テレビ東京系
- 公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/kotaki/
- 公式Twitter:https://twitter.com/tx_kotaki

古舘さん【兄:一路(イチロウ)】と滝藤さん【弟:二路(ジロウ)】の兄弟が、ひょんなことから「レンタルおやじ」という仕事をすることになります。
真面目な兄とちゃらんぽらんな弟、回が進むにつれて2人の過去と現在が結びついてきて、どんどん夢中になります。最初はもっとコメディな内容だと思っていましたが、ちょっと深いドラマでした。
あとで気付いたんですが、脚本は法医学を題材にしたドラマ「アンナチュラル(2018年 エンディング曲:米津玄師「Lemon」)」の野木亜紀子さん。どうりで面白いはず!
古舘さんと滝藤さんの演技(演技っぽくない自然な感じ)も面白くてカッコよくて、本当に素敵なドラマでした。
そんなドラマにぴったりだった、スターダスト☆レビューさんの「ちょうどいい幸せ」
“ちょうどいい” って言葉がイイです。
「ちょうどいい幸せ」を感じる日々を送れたら、人生は合格点のような気がします。
四苦八苦+4
生きるのが下手な兄弟が、「レンタルおやじ」を通じて孤独な依頼人たちと関わり、様々な無茶ぶりに “四苦八苦” しながらも、どうにかいきていく人間賛歌コメディです。
タイトルにもある “四苦八苦” は、元は仏教用語で、人間である限り避けられない8つの苦しみをお釈迦様が教えた言葉。これらに4つの苦しみを新たに加えた、12苦がドラマの裏テーマとなっています。
公式サイトより
レンタルおやじには色々な相談が来ますが、現実離れしたテレビ的な設定ではなく「そういう人も、必ずいるだろうなぁ」という悩みばかりです。
もしかして、自分も同じ悩みを抱えることになるかも?と思ってしまう内容です。
それぞれの価値観
第6話、二路(滝藤さん)は「社会勉強のため、レンタルおやじに質問したい」という依頼で、ホームパーティに招かれます。
依頼者は仕事で成功し、高級マンションに住んでいる、世間的にはセレブと言われる感じの人たち。

そこに遅れて、何も知らない別居中の二路の妻・有花(中村優子さん)が来ます。依頼者たちは、妻の大学の友人でした。
驚いた有花は他人のフリをします。
友人は有花に対して
「あれどうなった?例の無職の旦那」
「離婚したんじゃなかったっけ?」
「子供がいて無職って父親の自覚なさすぎるだろ。 有花の男の趣味ないわぁ」
有花は「でもね、私は仕事続けたかったし、私が働いてジロ… 夫が家事と子育てっていう分業でいいかなって…」と言いますが、友人は全く聞く耳がありません。
「教育上良くないだろ、働かない父親なんて」
「そこは気になる。社会不適応者の父親の元で子供がどう育つのか?」
質問は止まらず、二路へ。
純粋に興味本位かも知れませんが(何だか上から目線で)
「不安定な仕事で食べていけるんですか?」
二路「ボチボチ?はははっ」
「結婚したいとか思わないの?」
二路「なんで俺が結婚してないって思った?」
「ああ、ごめん。してるんだ」
「マジで?奥さん心広いなぁ~」
「奥さん何してる人なんですか?」
二路「いい~女だよ、うん。誰が見ても。俺にとっても。娘もめっかわ(めっちゃ可愛い)超仲良し。ハッピーラブラブ!」
「老後の不安は?貯金はある?」
二路「ないないない、もう何もない」
「それでよくこんな仕事できますね」
二路「まぁね、他にできる仕事ないんで。はっはっは」
「探せばまともな仕事見つかると思いますよ」
二路「あのさ、あのさ、俺は、今の俺に満足してるの。ハッピー!最高!」
「あなたは良くてもお子さんは?」
二路「はぁ??」
「説明しづらくないですか?」
徐々に、二路の表情が変わります。
二路「じゃあ、あんたは銀行の話を子供にしてんの?今日はどこと取引して、どこぞの会社の融資引き上げて、倒産させて、社長が首をくくったって話を子供にすんの?」
「いえ、そんな話は…」
二路「しないよな。それから、さっき有花の… そににいるユカちゃんの、無職の、社会不適応者の父親の元で子供がどう育つのか疑問だってあんた言ったよな?」
「はい…」
二路「意外と覚えてんだよ。学はねぇけど、大事なことは忘れない。俺の娘がハイハイからタッチした日は生後11か月の5月15日。つかまり立ちすっ飛ばして、いきなり立ち上がってトントントンって俺に向かって3歩歩いて、うわぁ!ってビックリして泣いたよ。あんた子供がタッチした日は覚えてる?」
「いい~、えっ、ん、いや…」

この時、兄の一路は、謎の女子高生からの相談に対応していましたが、実はマレーシアに留学中の二路の娘:六花(りっか)でした。
正体を明かした六花は、パパ・ママの現状を尋ねます。そして、家庭が悪くなったのは自分のせいだと。
六花「一番いけなかったのは、私なんだ。パパちゃんの事、友達にめっちゃ自慢してた。いつも家に居て、一緒に遊んでくれるって。小学校の時はみんな羨ましがってたのに、だんだん “そんなの変だ” って、“お父さんは働かなきゃいけないんだ” って。うちはダメな家族なんだって…」

二路「うちはさ、奥さんが働いてっから… 俺が主夫だから… 毎晩夜泣きに付き合って、ミルクも離乳食も全部やった。毎日弁当を作って、父母参観も、PTAも、学芸会の衣装だって下手くそだけど作ったよ。だから、俺は娘が1年から6年までどんな役をやって、何を歌ったかも全部言える。全部一緒に練習したもんな。
俺はね、俺は、昔っからどんな仕事も続いたこと無い。社会不適応のクズ親父だけど、どういうわけか娘は立派に育ってるよ。パパちゃんがろくでなしな分、もうしっかりしてくれちゃって…。
俺は感謝してんだ、ここまで元気に大っきくなった事。神様とか信じねぇけど、これだけは天に向かって“ありがとう!”って思ってんだよ。
だから誰に何を言われようが関係ねぇ!ひとつも恥ずかしい事ねぇもんよ。だから何でも言えるよ。あんたらの暇つぶしのネタ、いくらでも提供してやるよ」
そして、有花が口を開きます。
有花「もうやめて!みんな誤解してる。二路ちゃんは父親失格じゃない。私よりよっぽど母性がある。家にいることより、働くことを選んだのは私。二路ちゃんは会社勤めに向いてない。
だから、ウチはこれで良いの。これで良かったの!なのに何でみんなほっといてくれないの?・・・
誰に何を言われようが関係ねぇって、そう言って終わるなら、私だって言いたいよ…」
妻・有花の職業は教師で、事あるごとに無職の夫を引き合いに出され、クラスで何かあると監督能力が無い、まともな家庭を作れない母親に子どもは任せられないとも言われたり、文句を言われないように頑張ってヘトヘトで帰ると、そこには能天気な夫の笑顔。
でも、有花は二路のそういうところが好きでした。でも、ついイライラして…

第6話のタイトルは、「世間縛苦(せけんばっく)= 俗世間の価値観に縛られる苦しみ」です。
時々、人は自分の価値観を押し付けてきます。きっと悪気はない(はず)。
でも、正直ちょっとほっといて欲しい…と思う時、ありますよね。
私自身も気を付けよう。
“ちょうどいい幸せ” は、人それぞれ。