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エンディングノートの書き方、遺言書との違い

エンディングノートの書き方、遺言書との違い

エンディングノートはご自身が「病気や介護が必要になった時・終末期・死後」などに関するご自身の希望などを書き記すノートのことです。

主に「自分の基本情報、交友関係、財産・保険、介護・治療、お葬式・納骨、ご家族へのメッセージ」などについて記入します。遺言書のような法的効力はありませんが、ご家族・親族へ伝えるべき情報をまとめて残す手段としては、とても効果的だと思います。

インターネットや本屋さんで購入可能(1,000円~1,500円程度)ですので、ご興味のある方は気軽に始めてみてはいかがでしょうか。

ご自身の情報を整理するという点では、年齢に関係なく役に立ちますので若い(30~50代)方にもおすすめです。

少しずつ書き進めていく上で、「これは遺言書が必要かも」と思われたら、その時は専門家にご相談ください。

エンディングノートの目的は「ご自身の情報整理とメッセージ」

終活を意識し始めた方は、最初に何をすれば良いのか迷われます。そんな時に、エンディングノートは最適です。考えるべきことをアドバイスしてくれます。

主な情報
  • ご家族が知っておかないと困る情報(金融口座など)をまとめる
  • 自分に何か起こった時の希望・理由を書く
  • 家族に伝えたいメッセージを残す

「何だか色々書くのが大変そう…」と思われるかもしれませんが、すべてを完璧に書く必要はありません。穴埋め・チェック形式も発売され、文章を書くことが苦手な方でも気軽に始めることができます。

重要だと思う項目を優先的に書いていきましょう。

まずは、準備運動的な気持ちでスタート

エンディングノートには遺言書のような【法的効力】はありません。書いた内容が、ご家族の重荷(強制)になることはありません。あくまで、ご自身の希望や想いをご家族に伝えるものです。

何度でも書き直せますし、細かな部分は書き進めるにつれて徐々に明確になります。まずは、終活の準備運動的な気持ちでスタートしてみてはいかかでしょうか。

若い方にもおすすめ

ご自身の情報を整理する意味では、30~50歳代の方にもおすすめです。

エンディングノートのメリット

遺言書のような法的効力はありませんが、ご自身の気持ち・意思を伝えることは十分に可能です。ご自身の希望や理由が明記してあれば、ご家族は非常に助かりますし、心の負担も軽くなります。

また、情報・希望が整理されていれば、お葬式の準備や葬儀後の手続きもスムーズに進みやすくなります。

特に、若い世代の方(子・孫など)は「菩提寺・宗派・お墓」の情報をご存知でない方も多いので記入しておきましょう。

エンディングノートのメリット

自分にもしもの事があっても家族が困らない

「病気治療に関する希望」・「葬儀内容や依頼先の葬儀社」などを書き残しておけば、ご家族が決断に困る可能性も低くなります。

日常生活に関する情報の整理と見直し

現時点での情報整理や見直しに役立ちます。終活や年齢に関わらず、日常生活の備忘録としても活用できます。

お葬式「後」の手続きがスムーズ

「口座がある金融機関」・「契約中のサービス(新聞・インターネット)」などがわかれば、お葬式後の名義変更や解約に役立ちます。

メッセージを伝えることができる

普段、恥ずかしくて言えない感謝の気持ちを伝えることができます。そのメッセージがご家族の悲しみを和らげる効果もあります。

遺言書のような「法的効力」はありません

先にご説明したように、エンディングノートには遺言書には法的拘束力(周りの人への強制力)がありません。

エンディングノートはあくまで本人の希望やメッセージを書き残すものです。その分、気軽に自由に書けますし、何度でも修正が可能です。

ご自身の希望や状況によっては、遺言書が必要です

遺産相続や子の認知・相続人の廃除など、「法的に確実に実行したい事柄」や「遺産相続で親族内の紛争が起こる可能性がある」場合は、遺言書の作成が必要です。

遺言書は「死後」についての文書。エンディングノートは「生前+死後」に関する文書になります。ご家族へのメッセージは共通して残すことができます。

どちらもメリット・デメリットがあります。状況によっては、両方を作成することもおすすめです。

MEMO

遺言書も万能ではありません。基本的な内容は「財産の分配」に関してです。遺言書には種類があり、おすすめは「公正証書遺言」です。

エンディングノートの購入と無料ダウンロード

エンディングノートは大型書店やネット通販(Amazonなど)で購入可能です。数多く発売されていますが、記入する内容はほぼ同じです。

一度、書店で中身を見比べて、自分に合ったエンディングノートを購入しましょう。

市販でおすすめのエンディングノート

個人的におすすめなのが、【KOKUYOのエンディングノート「もしもの時に役立つノート」】です。

日常生活に起こる様々な「もしもの時」に役立つようにというコンセプトに作られ、ページ配置や構成にも配慮されています。イラストも豊富でとても見やすい商品です。

市町村で独自のエンディングノートを「無料配布」しています

各市町村が作成した「無料のエンディングノート」もあります。

インターネットでダウンロード(PDF形式)が可能ですので、「お住いの市町村 エンディングノート」で検索してみてください。

堺市のエンディングノート
  • 堺市堺区:おひとり様の生き方・暮らし方ノート
  • 堺市中区:安心ノート
  • 堺市南区:わたしの老い支度
  • 堺市西区:わたしのメッセージ
  • 堺市東区:なし
  • 堺市美原区:なし

エンディングノートの書き方のポイントは「読む相手を思う」こと

エンディングノートでよくある落とし穴は「途中で嫌になる…」です。

最初から全部を完璧に書こうと思わずに、重要な項目から書き始めましょう。順番は気にしないでください。書くタイミングは、書きたくなったら書くで大丈夫です。

特定の誰か(家族など)を想定しながら書く

書く時のポイントは、漠然と書くのではなく「特定の誰か(夫・妻・子など)を想定しながら書く」ことが重要です。

エンディングノートには法的効力はありませんが、ご家族はできる限り希望を叶えようと行動してくれると思います。そのため、一方的な押し付けではなく「相手のことを考えながら自分の希望も含める」が理想です。

できるだけ具体的に

「葬儀は豪華に」・「葬儀はシンプルに」など、あいまいな表現は人によってイメージが異なりますので、できる限り具体的な内容を書きましょう。葬儀社の見積書や写真などの添付するのもおすすめです。

例えば、

  • 散骨は◯◯の海にして欲しい
  • 納骨は結婚記念日にして欲しい

など具体的な内容が良いと思います。

大切な情報は慎重に!(もし記入する場合は【ヒント】までに留める)

【他人に知られては困る情報】はなるべく書かない方が無難です。

注意する項目
  • 金庫やキャッシュカードの暗証番号
  • 通帳・実印の保管場所
  • PCやスマホのパスワード

などは、事前にご家族に知らせておきましょう。

重要な情報はヒントまで

重要な暗証番号・パスワードを記す場合は、答えを導き出す「ヒント」までに留めておきましょう。

例えば、【暗証番号=自分の誕生日+妻の誕生日】という感じです。

もし、借金がある場合は隠さずに伝えましょう

故人の借金をご家族が把握できていないことはよくあります。借金の有り無しは、遺産相続をするご家族(相続人)にとっても非常に重要です。

金額にもよりますが、残されたご家族には「相続放棄」も選択肢の1つになる可能性もありますので、借金の情報は隠さずに記しておくべきだと思います。

エンディングノートの書き方まとめ

  • 特定の誰か(エンディングノートを見るご家族など)を想定して書く。
  • 依頼相手の負担・状況なども考慮し、無理な希望は書かない。
  • あいまいな表現は避けて、できる限り具体的に書く。
  • 暗証番号などの重要な情報は、口頭で伝えておく。
  • 書いたら終わりではなく、定期的に見直しましょう。

エンディングノートや重要書類の保管場所は、必ず誰かに伝えておきましょう

エンディングノートも発見されないと意味がありませんし、「ここに置いておけば、発見してくれるだろう」では不安が残ります。

エンディングノートの【存在】は必ず誰かに伝えておきましょう。「◯◯に保管してるから」と日頃から誰かに伝えてくことが大切です。普段持ち歩く「財布などに保管場所のメモを入れておく」こともおすすめです。

保管場所のポイント

  • リビングや書斎など人目に付く場所。
  • 内容によっては人目を避けて保管。
  • 日頃から保管場所を伝えておく。
  • 財布に保管場所のメモを入れておく。

「銀行の貸金庫」への保管はあまりおすすめではありません。貸金庫を開ける手続きに時間がかかりますし、通常発見はお葬式後になってしまいます。

保管場所のおすすめ:【もしもボックス】

個人的には、以前テレビで見たご家族様の方法「もしもBOX」がおすすめです。

ご主人が「もしもBOX」と名付けたダンボール箱をリビングに設置。

自分が病気や死亡した時に必要な遺影写真データや友人の連絡先ノート、副葬品などを全部「もしもBOX」に準備していました。

ご家族全員が「もしもBOX」の存在を知っているので、ご主人が亡くなった時は必ず「もしもBOX」を見るはずです。その中にエンディングノートがあれば、必ず発見してくれます。

まずは、現時点でのご自身の情報整理としてスタート

エンディングノートの認知度が6割を超えているデータもありますが、実際の利用者は数%程度とまだまだ少ないです。

「エンディング=終活」とイメージしてしまいますが、「現時点でのご自身の情報を整理する」という意味では、年齢に関わらず活用できます。

終活の第一歩をお考えの方は、まずエンディングノートをきっかけに、ご家族で話し合うことがおすすめです。もしもの時、実際にご自身の希望を叶えてくれるのは、残されたご家族です。

また、お子さん側から親の葬儀に関する話は切り出しにくいものです。ご自身の希望は、ご自身からご家族に話すことも重要です。

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