追記:2024年までに相続登記を義務化
相続登記を義務化する民法・不動産登記法の改正案が、2021年4月21日参議院本会議で可決・成立されました。
この法律が施行されると、相続で土地や建物を取得した場合は、3年以内に所有権の移転登記をしなければいけません。正当な理由なく相続登記を怠った場合は、10万円以下の過料が課せられます。2024年までに施行予定のようです。
これをきっかけに、所有者不明土地や空き家が減ると良いですね
不動産(お家や土地)を故人名義のままにしていませんか?将来、新しい制度が誕生すると、名義変更が義務化になり、知ってて放っておくと罰則を受ける可能性があるようです。
先日、テレビやインターネットで見かけた相続登記に関する記事を簡単にまとめると以下の内容になります。
土地の所有者が死亡した場合、相続人に登記を義務付け
2019年12月3日、法制審議会(法相の諮問機関)の民法・不動産登記法部会は、人口減少などによって所有者が分からない土地が増えている問題に対処するための中間試案について協議した。
土地の所有者が死亡した場合、相続人に登記を義務付け、罰則も設けることで一致した。部会がさらに検討を加えた上で年明けに意見公募を実施し、来夏にも要綱案をまとめる。政府は、来秋の臨時国会に民法などの改正案提出を目指している。
土地の所有者が死亡すると自動的に相続が発生するが、登記は義務ではないため、所有者不明の土地が全国的に増えている。このため、登記を義務付け、義務を知りながら一定期間放置していた場合に過料を科す。また、少子高齢化などを背景に土地を手放したい人も増えているため、所有権放棄を認める制度も創設する。放棄が認められれば国有地になり、将来的には自治体が取得して再開発などの利用が想定されている。
登記の障害となっていた煩雑な手続きも簡素化。相続人のうち1人でも登記すれば義務を果たしたと認め、必要書類を最小限にとどめる。費用も軽減する。
「所有者不明の土地」「空き家問題」の深刻化
確かに、「所有者不明の土地」や「空き家問題」についての記事を見かける機会が最近多くなりました。
誰も住んでいなくて、台風や地震での倒壊や放火の恐れがある空き家について、現法律では市町村も自由に対処ができません。もし、自宅のお隣の家がいつ倒壊するかわからない状態だったら、確かに嫌ですよね。
昔から相続登記を義務化していれば、深刻な事態には至らなかったと思いますが、「長男が家督を継ぐことが常識だった時代のままの考え」・「固定資産税を支払えば所有者は誰でもいい位に考えている(?)国や市町村」の両方が問題だったのかも知れません。
国民からすれば「登記の費用が高くて手間だし、特に罰則が無いならそのままにしておこう」っていう気持ちが働くのも当然だと思います。
大きな転換点だと思いますので、良い方向に進んで欲しいですね。
現時点で、相続登記は義務ではありませんが…
現時点で、相続登記(故人が所有していた不動産の名義変更)は義務ではないため、放置している方も多いです。
そもそも「どうやって名義変更をするのか?専門家に依頼するとしても、誰に依頼するのか?」を知らない人も多いです。また、お葬式後の手続きで役所に行っても、基本的に役所は相続登記についてアドバイスをしてくれません。
しかし、相続登記はご自身だけの問題ではなく、子や孫のことも考えると、その時その時にきちんと対処してあげる方が良いと思います。長期間放置しておくと、いざ名義変更や売却をしようとしても、なかなか思い通りに進まない場合があります。
故人名義のままでは、自由に売買ができません
故人が名義人の不動産は、家族であっても売却ができません。買主は不動産の名義人本人(所有権を持っている人)と売買契約を結ぶ必要があるからです。
故人が名義人(所有)の不動産を売却したい場合は、相続人全員で話し合って誰かに名義を移す必要があります。
長年放置していると、相続人が数十人になる可能性もあります
例えば、Aさんが「家」を所有していました。
Aさんには3人の子(B・C・D)がいます。Aさんが死亡した場合、相続人はB・C・Dさんです。
この時点でBさんが相続していれば、後はBさんが自由に売却できます。しかし、相続登記をせずにB・C・Dさんも死亡し、B・C・Dさんに各3人ずつ子がいた場合、相続人は3+3+3=9人になります。
この流れを数世代繰り返せば、相続人が雪だるま式に増え、数十人になってしまう可能性があります。
仮に、相続登記をせずにBさんの子や孫が、Aさんの家に住み続けていて、いざ売却しようとした場合は相続人全員の同意が必要です。中には会ったことが無い人、お金を要求する人が出てくるかも知れません。
個人的なお話しになりますが、親戚(Sちゃん)が先祖代々の土地とお墓を管理し、固定資産税も払っていました。
その土地に関して、私の親は昔に相続放棄していたのですが、県の都市開発をきっかけにSちゃんから相続登記について相談がありました。
知人の司法書士さんに相談をして、戸籍を調査してもらったところ、相続人が18人いました。
運良く、半数はSちゃんの近く、半数は大阪府内だったので、2人で手分けして手紙と直接訪問し事情を説明しました。
皆さん良い人たちで、Sちゃんが所有者になることに賛成してくれて、無事に相続登記ができました。一度も会ったことが無い人ばかりだったので、内心ヒヤヒヤしました。
相続登記の義務化について、ネット上の意見
- 自分で何とか相続登記しましたが、集める書類が多くて苦労しました。もう一度やれと言われても拒否したい。
- 親の戸籍謄本を取るのに苦労しました。市町村の合併で、先祖の戸籍がどこの役場にあるのか、役場を特定するだけでもウンザリ。途中から諦めて司法書士にすべてお任せしました。
- 死亡した直後なら、そんなに苦労もなく、印鑑ついてもらうのも楽だけど、ほったらかしにしてて相続権が子から孫・ひ孫になると、そう簡単に印鑑はもらえない。
- 相続人が少ないため何とか自分で済ませることができました。ただ、あちこちに土地を所有し、連絡の取れない血縁者がいる場合はこの限りではありません。あと、「改製原戸籍謄本」がくせ者です。
- 権利関係が複雑で、過去の資料が必要となれば大変だろうなと思う。そんな人はプロに頼むべき。先祖がその時にちゃんとしてくれないと子孫が困ることになる。
- 自分でやっても登録免許税が結構高いので、これをなんとかしてくれないと義務化は納得できないと思いますね。
- 相続登記は義務ではないから放置が多い。でも、何世代か後にその不動産を処分する場合には、戸籍をあちこちから集める必要があり、かつ複雑な法的関係を生じてるので、詳しい司法書士でしか登記手続きは出来ないよ。
- 単に国が相続人の追跡と追認(相続を認めて貰うこと)がめんどくさいから義務化するってことでしょう。
- 相続人も決して顔見知りばかりの親族ではありません。腹違いの兄弟姉妹が居たりしますと厄介です。
- 相続登記の義務化は、やったほうがいい。所有者が死んじゃったら、どこの誰の土地だかわからないのは色々問題だろう。ただ、手続きが面倒すぎる。書類が多すぎる上に、何度も役所に行かなきゃならんし大変だった。もっと簡素化できれば良いと思う。
- きちんと登記がされていないと、一度も会ったことがない遠い親類から書類の取り付けなどが必要となり、それがハードルとなっている部分もあると思いますよ。
- 売れないどころか管理費までかかるような土地に費用をかけて登記を強制するのは無理がある。その点も含めて新しい制度を考えて欲しい。
- 面倒な法律を作るより固定資産税を3年滞納したらその不動産は国の物になり、国や市町村が自由に処分、活用出来る様にしたら良いんじゃないかな?
などなど、今回の義務化の動きについて、本当に様々な意見がありました。
賛成、反対、何で今更?、過去に個人で手続きをして苦労した人、専門家に依頼した人、不要な土地は市町村に寄付したい人…
現時点で、個人的に義務化を反対する気持ちはありませんが、長年放置して相続人が複雑になった土地に関して、強制的に「誰かが相続してください」とするのは難しい気がします。
司法書士に相続登記を任せるのは良いと思います
不動産登記の専門家は「司法書士」です。司法書士に依頼したら、いくら費用が必要?とお考えの方もいらっしゃると思いますが、報酬としては数万円~10万円程(+実費)で済むと思います。
時々「数十万円かかった」という意見がありますが、多分それは「登録免許税」が高額だったのだと思います。
登記を申請する際に、国(法務局)に納める「税金」です。
法律上、資産の権利に移転や変更があった場合には、その移転や変更に対して国が税金を課すと決められています。
国民からすれば、第三者に「私が所有者です」と所有権を主張できる(対抗力を得る)利益に対して支払う税金です。
登録免許税は、お家や土地の大きさによっては変動する税金です。これは、個人(ご自身で)・司法書士のどちらが手続きを行っても同じ金額です。
司法書士への報酬は決して高くはありません
相続登記には故人や相続人の戸籍が必要です。必要な枚数は、相続人の人数などによって異なりますし、戸籍を読み解いて必要な戸籍をすべて集めるのは大変です。
相続人が多い場合の戸籍集めや、役所・法務局が開いている平日に代理でミスなく動いてくれる事を考えると、司法書士への報酬は決して高くないと思います。一度ご相談をされて必要な金額を確認してはいかがでしょうか。
良い方向に進んで欲しいです
私は相続登記に関して深い知識はありませんが、危険な空き家が減ることや現時点で市町村が対処できない危険家屋に対して有効な制度であれば良いと思います。
最初にご紹介した記事には
「不要な土地を手放したい人のために、所有権放棄を認める制度も創設する」
ともありますので、無駄な固定資産税を支払う義務もなくなるのであれば、助かる人も多い気がします。
一方で、
「登記の障害となっていた煩雑な手続きも簡素化。相続人のうち1人でも登記すれば義務を果たしたと認め、必要書類を最小限にとどめる。費用も軽減する」
ともあります。
改正内容をシンプルに説明した文章だと承知していますが、【手続きの簡素化】と【安全性】の両立は大丈夫なのでしょうか?簡素化といっても故人と相続人の関係性を証明する戸籍提出は省略できないと思います。人によっては戸籍集めがとても大変なんです。
そして、【相続人のうち1人でも登記すれば義務を果たしたと認め、費用も軽減する】という部分は共有持分(共有名義)の事だと思いますが、共有をおすすめしない専門家も多いと聞きます。
最後に、登録免許税については「その家に住み続ける」または「一定の条件(●●坪以下の家など)」では無料で良いんじゃないでしょうか。よく分からない税金は無くした方が…
相続登記に関するいくつかの記事を読んで、思い付きで書き始めましたが、あくまで個人的な意見ですので、専門家の方からすれば「そうじゃないよ!勉強不足だなぁ」とご指摘があると思いますが、何卒ご容赦ください。
議論がスタートしたばかりですので、この先より深く議論されると思います。危険な空き家が減って、有効活用されていない土地が1つでも多く活用されるようになれば良いですね。
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