お葬式相談窓口(事前相談)

法要やお盆・お彼岸での儀式よりも、大切なことは「故人を思い返す」

お葬式後に行う法要には、四十九日法要や年忌法要(一周忌・三回忌・七回忌…)などがあります。そして、季節の行事にお盆(8月)やお彼岸(3月・9月)があります。

一般的に、お盆・お彼岸はお墓参りだけで済ませる方も多いと思いますが、ご自宅にお坊さんが来たり、寺院で行われる「盂蘭盆会(お盆)、彼岸会(お彼岸)」などの法要イベントに参加される方もいます。

様々な法要や季節行事がありますが、故人・ご先祖様を偲ぶ機会が定期的に訪れるのは良い事かもしれませんね。

お葬式や法要に対する価値観は人それぞれです。しっかりと法要(儀式)を行う方もいれば、ご家族でお墓参りに行くだけの方もいます。どの様な選択をするかは自由です。

今回は、法要やお盆・お彼岸について(特にこのコロナ禍で)喪主様の会話で感じたことをお話ししたいと思います。

法要は「ご家族様だけ」で行う方が多い

少しお葬式についてお話しすると、現在(2021)のコロナ禍では、故人のご家族「以外」の参列者(親族や友人など)を最小限にすることが一般的です。当社では平均15~20名様のお葬式(家族葬・一日葬)が多いです。

  • 故人のご家族のみ
  • 故人のご家族+親族
  • 平均15~20名様

故人様の訃報を伝えるのはマナーの側面もありますので、親族へ連絡しない訳にはいきませんし、

「最期に一目でも(故人の)顔を見たい!」

という気持ちも理解できますし、一方的に参列を拒否するのも心苦しい部分があります。ただし、ご家族+親族だけでも「数十人」の場合もありますので、感染対策を考慮すると悩まれる喪主様も多いです。

主な法要は「ご家族様だけ」、徐々に「各家族・個人」単位での供養へ

同様に、法要に「親族を呼ぶべきか?呼ばないべきか?」で喪主様は悩まれます。主に法要の中でも大切とされる「四十九日法要」や「一周忌法要」についてです。

結論から言えば、法要は「故人のご家族様だけ」で行う方が多いと思います。もしくは、お近くにお住いの親族様も参加される程度です。

ただ、訃報連絡と同様に、親族へ連絡しないのは礼節に欠けますので、「家族だけで法要を行いたいと考えています」と親族へのお声掛けは大切です。きっとご納得していただけると思います。

2021年時点で、まだ新型コロナの収束が見えませんので、お葬式に参列された(参列ができた)親族様は、再び感染リスクを冒してまで法要に参加されなくても良いと個人的には思いますし、同じ考えの喪主様の多いです。

年忌法要について

一周忌以降の年忌法要(三回忌・七回忌…)は、徐々に「各家族・個人」単位での供養(お墓参りなど)へと自然と変化していくご家庭が多いです。

法要を行わないのも自由です

コロナ禍に関係なく、法要を一切行わない方もいらっしゃいます。

厳密には何もやらないではなく、「お墓参りに行く、ご家族・親族で集まって食事をする」など、個人や家族単位で何かをするけれど、特別に法要の場は設けないということです。

時々、お葬式終了直後に、お坊さんが喪主様へ

「四十九日法要は◯月◯日になるので、その前の土曜日に行いましょう」

と決定事項のように話しているのを耳にしますが、もし法要を行うか未定の場合は、

「家族と相談して決めますので、改めてこちらからご連絡します」

と返事をしても決して失礼ではありません。

稀に、少し威圧的で怖いお坊さんもいらっしゃるので、言い難い場合もあるかもしれませんが、ハッキリと伝えましょう。法要をするか?しないか?を決めるのは、ご家族様の自由です。法要は強制されるものではありません。

形式ばった宗教儀式よりも大切なことは「故人を思い返す」

語弊があるかもしれませんが、法要で行う宗教儀式(読経やお焼香など)、それ自体が最重要ではありません。

大切なのは「故人を思い返す」こと。それに「行動」がプラスされて意味(価値)があると思います。それが、お焼香だったり、お仏壇の掃除だったり、お墓参りだったり、何でも良いと思います。

法要やお盆・お彼岸は、「故人を思い返す」1つのきっかけです。一人ひとりが故人様に対して【どんな気持ちで、どんなことをするか?】それが一番大切なことだと思います。

個人的な意見ですが、それが出来れば法要の場やお坊さんもさほど重要ではない気がします(お坊さんごめんなさい…)。

実例:祖母の三回忌

私の祖母の三回忌について、母が叔父さん(母の兄)に連絡したところ
「三回忌だし立派にやらなくても良いだろう。それぞれの家で自由にやろう」という回答でした。
私たち家族は祖母の好物を買ってお墓参り+思い出話をしながら賑やかに食事をしました。とても良い三回忌だったと思っています。後で聞いたら、叔父さん家族も同じ感じだったそうです。

今を生きる人にとっても、「自分の事を思ってくれる」のは最高に嬉しいことだと思います。

例えば、「誕生日プレゼントで自分の趣味や好みを想像して、時間を使ってプレゼントを買いに行ってくれた(作ってくれた)」それ自体が嬉しいです。

お子さんからの「肩たたき券」なんて気持ちそのものです。「お父さん、お母さんの肩を叩いてあげたい」と思いながら、紙を選んで切って、文字を書いて、一生懸命作ってくれたなんて最高に嬉しいですよね。


話を元に戻しますが、法要やお盆・お彼岸で大切なのは「故人を思い返す」ことだと思います。表現としておかしいかもしれませんが「思い出を温めなおす」そんな感じです。故人やご先祖様からすると「忘れられる」ことが一番悲しいと思います。

MEMO

決して厳粛な法要を否定しているわけではありません。
故人様への感謝・敬意を含めると、法要の場には「厳粛さ」や「儀式」も必要ですし、そこにはお坊さん(僧侶)が欠かせないかもしれません。
また、親御さんの立場からすると、子に法要を経験させる、意味を教えるのは「お子さんの教育」の側面もあると思います。次の世代へ繋いでいくことも大切です。

故人様への供養は「自分にできること」だけでも十分

今は新型コロナ感染対策のために、法要を中止したり、お墓参りも思い通りに行けない方も多いです。でも、無理に感染リスクを冒してまで法要を行う必要はないと思います。

従来通りに法要が行えなくても、個々人が「自分にできることをする」それだけで十分だと思います。

  • 遺影写真やお仏壇の掃除
  • お供え物(好物)やお花を買いに行く
  • 遺影写真を持ってどこかに出かける

私が故人様の立場なら、「私の事を思い出しながら、写真に手を合わせてくれたり、お供え物をしてくれる」それだけで満足です。自分の事を思い出してくれる(記憶に留めていてくれる)だけでとても嬉しいです。

まとめ

人それぞれ価値観が異なりますし、法要をするか?しないか?も基本的に自由です。もちろん、人によっては親族や菩提寺(お寺)との関係性で「法要をやらざるを得ない」場合もあると思います。どちらにしても、法要に自分なりに意味(価値)を見出せば良いと思います。

年齢や経験を重ねると、考え方や感じ方も気付かないうちに少しずつ変化してきます。個人的には、今の自分が「法要やお墓参りなんて面倒くさい」と思うなら、今はそれでも良いと思っています。

  • 「お仏壇用にお花を買って帰ろう」
  • 「次の休日にお墓参りに行こう」

ある時、そんなことが突然フッと頭に浮かんでくる人も結構多いです。何だかそういうのって素敵ですね。

法要や儀式を否定しませんが、それ自体が最重要ではなく、大切なのは「故人を思い返す」ことだと思います。

人はいい意味で「忘れる」生き物です。でも、日本には「故人を思い返す」きっかけになる色々な法要やお盆・お彼岸などがあります。

コロナ禍だからこそ、ゆっくりと自分にできる事を考えてみてはいかがでしょうか。

補足

このページでは、仏教(仏式)の考え方でお話しましたが、どんな宗教(神道・キリスト教など)でも、お盆やお彼岸にお墓参りに行くのも良いと思いますし、命日や誕生日を基準にしても良いと思います。故人を偲ぶ方法は自由です。